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ニュースリリース

【事例紹介】文化財アートソリューション事業
国立西洋美術館「松方コレクション西洋美術総目録」
刊行事業を受注

2016年9月23日
日本写真印刷コミュニケーションズ株式会社

日本写真印刷コミュニケーションズ株式会社(本社:京都市 代表取締役 村瀬俊司 以下、日本写真印刷コミュニケーションズ)は、独立行政府法人国立美術館 国立西洋美術館(所在地:東京都台東区、館長 馬渕明子 以下、国立西洋美術館)ならびに公益財団法人 西洋美術振興財団(所在地:東京都台東区、理事長 高階秀爾)より「松方コレクション西洋美術総目録」(仮題、以下「総目録」)のシステム開発・運用および書籍製作を受注しました。現在、国立西洋美術館を著者として執筆と編集作業が進んでおり、2017年末に上巻が、2018年末に下巻が刊行される予定です。「総目録」は株式会社 平凡社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 下中美都)を通じて一般書籍として発売されます。

戦前に川崎造船所の社長をつとめた松方幸次郎(*1)は、第一次世界大戦中のヨーロッパで10,000点にもおよぶ膨大なコレクションを収集しました。この内の第二次大戦中パリに残されていた約400点の作品は、戦後わが国がサンフランシスコ講和条約を経て国際社会に復帰する際にフランスから寄贈返還され、これを展示する施設として国立西洋美術館が設立されました。今回刊行される「総目録」は、作品の収集を開始した1916年から今年が100周年にあたることから、わが国に西洋美術が紹介された歴史の解明と、松方幸次郎の顕彰を目的に、学術的観点からそのコレクションの全貌を明らかにするものです(浮世絵等、東洋美術を除く)。
今般制作の過程で、1939年のロンドンの美術倉庫の火災によって焼失し「幻」となっていた約900点のリストが、国立西洋美術館の学芸員によって発見されました(*2)。美術史研究の進展が期待され、新聞報道でも大きく取り上げられています(*3)。 日本写真印刷コミュニケーションズは、美術館・博物館のさまざまな課題にワンストップでサービスを提供する文化財アートソリューション事業( *4)の取り組みをしています。「総目録」においては、原稿執筆、編集、製作(製版・印刷)、書籍流通の各段階に最新のIT技術を投入して刊行事業を支えています。

日本写真印刷コミュニケーションズが提供する文化財アートソリューション事業
<データベース編集システム>
 松方コレクションはその膨大な作品点数とともに、絵画・彫刻・版画・素描・工芸と多くのジャンルがあり、作家も複数の国籍にわたる多様性に特徴があります。このため国立西洋美術館では複数の学芸員が専門分野ごとに分担して原稿の執筆を行っています。
 日本写真印刷コミュニケーションズは、Artize MA(アルタイズ・エム・エー)(*5)のブランド名で開発・販売している美術館・博物館向け収蔵作品管理システムを応用して、WEBブラウザー経由で原稿を執筆でき、各ご担当者の寄稿・編集状況を共有できる仕組みを提供しています。またArtize MAは国立西洋美術館の学芸業務支援にも採用されているため、同館所蔵作品について蓄積された作品画像や「来歴」「展覧会歴」「文献歴」などの学術情報は「総目録」原稿に転用することができ、効率的な原稿執筆に活用されています。



<自動組版システム>
 データベース編集システムに蓄えられた原稿は、テンプレートを介してページレイアウトがされるよう、自動組版システムを提供しています。「総目録」は3,000点近い作品の学術情報を掲載したデータ・ブックであると同時に、優れた作品を集めた美術書でもあります。このため本文は、平凡社が起用したデザイナーとの綿密な打ち合わせによってデザインされました。日本写真印刷コミュニケーションズが開発・提供する自動組版システムでは、多量の掲載作品に対応した組版作業の効率化はもちろん、掲載作品ごとに異なる画像の有無や、テキスト量の多寡などの条件によって自動的に紙面構成を変化させることが可能となり、「美」と「学術情報量の可読性」を追求した組版を実現しています。


<高品質カラーデジタル印刷システム;NDP(Nissha Digital Printing)>
 「総目録」は掲載する作品点数と情報量から、大量のページ数になります。また、対象読者層を美術史研究者に特化した専門書であり、初版発行部数は限られる予定です。一方で、学術的な価値から国内の専門家や研究室、専門図書館はもちろん、海外の美術館や大学などからの高評価も期待されており、ロング・テールな商品となる可能性があります。在庫リスクの軽減と少部数再版時の省コスト化に対応するため、高品質カラーデジタル印刷システムの技術により、大量・極小を問わず同品質の印刷物作成が可能となり、一般書籍流通に最適なスキームを提供します。 これまで日本写真印刷コミュニケーションズでは、主にオフセット印刷を用いて高品位な印刷物を提供してまいりました。NDPでは長年の培ったカラーマネジメントの技術力で最新のデジタル印刷機をカスタマイズし、オフセット印刷と遜色ない優れた色調再現性と、小ロットでもコスト・パフォーマンスを発揮できるシステムを実現しています。
今後の展開
日本写真印刷コミュニケーションズは、高精細デジタル撮影から、作品情報の管理、出版物等の製作、インターネットへの情報配信等、美術館・博物館向け「ワンストップでソリューション提供」のコンセプトのもと、文化財アートソリューション事業を展開してまいります。

*1 国立西洋美術館ホームページ「松方コレクション」
*2 同 お知らせ「ロンドンで焼失した松方コレクション作品に関する文書の発見について」
*3 読売新聞社 YOMIURI ON LINE「焼失の松方コレクション、英に953点リスト」  他
*4 日本写真印刷株式会社ホームページ「文化財アートソリューション」
*5日本写真印刷株式会社ホームページ「美術品管理システム」