日本写真印刷コミュニケーションズ株式会社

デジタル印刷|コラム


22.04.01

バリアブル印刷の活用

1枚ごとに内容の異なるバリアブル印刷

バリアブル印刷という言葉を聞いたことはありますか?バリアブル(variable)には「変数」「可変的な」といった意味があり、可変印刷とも呼ばれます。従来の印刷が版を作って何百枚、何千枚と同じものを刷る、つまり複製することに対して、バリアブル印刷は、1枚ごとに一部分の内容を変えて印刷を行うことを指します。

バリアブル印刷物の構成要素

データ制作において、紙面レイアウト内には共通で使用するデザイン部分と、可変情報が入る部分とで構成されます。
年賀状印刷サービスを例にしてみましょう。ユーザはwebページやパンフレットの中から、好みのデザインから選び、枚数を決めて注文します。送付したい宛名の情報を渡せば、宛名印刷もオプション対応してもらえます。

上の図にて、共通のデザイン部を緑枠、可変情報が入る部分を黄色アミで色分けしています。印刷レイアウトを作成するソフトウェアで、まず共通部分のデザインを配置した後、可変情報が入るテキストボックスの位置を指定します。テキストボックスには属性がふられており、別途EXCELファイルなどで管理された可変情報の列と対応しています。郵便番号のテキストボックスには「a-1」列、住所は「a-2」列といった要領で流し込みがなされ、1行ごとに1枚の印刷データが生成されるようになっています。

使用される印刷技術

DM(ダイレクトメール)の宛名印刷も同様にバリアブル印刷の代表的事例です。不特定多数のお客さまに対し、同一の広告をする(=マスマーケティング)ようなDMにおいては、印刷方式を組み合わせて印刷をします。
まず、通信面などの共通部分の印刷にはオフセット方式を採用し、大量印刷することでコストを抑えます。マスマーケティングの場合は一度に何万~何十万というオーダーで送付するため、生産スピードでも有利といえるでしょう。
宛名を含む可変部分はラベル貼りや追い刷りにて対応しますが、いずれにおいてもデジタル印刷機を用います。デジタル印刷は版を作成せず、データから紙に直接印刷するため、このような使い分けがされるわけです。

用途の拡がり

インターネット・SNSを中心に個人が収集できる情報が飛躍的に増えました。その結果、嗜好が多様化し、消費者ニーズの幅も広がっています。企業側のマーケティング活動も消費者ひとりひとりの購買傾向からニーズを読み取り、個々に対して最適なコミュニケーションを行うように変化をしつつあります。
このようなマーケティング活動ではお客さまの嗜好に合わせてパーソナライズ化された紙媒体が使用されます。レコメンドと呼ばれるお客さまが好む商品画像を推測する機能に加え、適切にレイアウトするような仕組みの構築が必要であり、制作コストは必然的に高くなりますが、デジタル媒体では実現できない効果が得られることも実証されております。今後、バリアブル印刷活用として、このような使い方が増えると予想されます。
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